以前、自分は「女性を描くことは、自分への慰めになっているのではないか」という話をしたことがあります。
そのときは、自分でもはっきり答えが出ず、「よくわからない」という結論になりました。
でも最近、改めて考えてみると、「やっぱり慰めだったんだな」と感じるようになりました。
もちろん、「慰め」という言葉だけでは少し違う気もします。
でも、自分の心を落ち着かせたり、過去と向き合ったりする意味では、この言葉が一番近いように思います。
20代の頃、僕にはとても好きだった女性がいました。
とても美しい人で、僕はその人に夢中になりました。
結局は片思いのまま終わりましたが、その想いは自分でも驚くほど強く、人生の大きな部分を占めていたように思います。
振り返ると、あの頃の経験によって、自分の人生は大きく変わりました。
「人生が狂った」と言うと少し否定的に聞こえてしまいますが、必ずしも悪い意味だけではありません。
後悔しているわけではないのです。
あの経験があったからこそ、今の自分がいて、女性を描き続ける理由にもつながっているのだと思います。
だから、女性を描くことは単に「美しいものを描きたい」というだけではありません。
自分の中に残り続けている想いや憧れ、言葉にできなかった感情を、絵という形で表現しているのかもしれません。
それが結果として、自分自身の心を少しずつ癒やし、慰めてくれている。
最近になって、そんな気がするようになりました。
人は過去の出来事を簡単に忘れることはできません。
でも、その経験を創作へと変えることはできます。
もしかすると、僕が描き続けている女性たちは、誰か一人を描いているのではなく、自分の心の奥にある憧れや想いを映し出した存在なのかもしれません。
そう考えると、これまで描いてきた一枚一枚の作品にも、少し違った意味が見えてくるような気がしています。