実は、絵を描くうえで「この人の作品を目標にしてきた」という存在は、それほど多くありません。
一番影響を受けたと言えるのは、若い頃に出会ったアンディ・ウォーホルです。
当時は現代アートについてほとんど知識がなく、ウォーホルの作品だけが強く印象に残っていました。特に有名なキャンベル・スープ缶を描いた作品には、大きな衝撃を受けました。
ちょうど東京でウォーホル展が開催されていたこともあり、実際に作品を見に行ったのですが、本物を目の前にしたときのインパクトは今でも覚えています。
その影響もあって、一時期はポップアートを意識した作品を描いていたことがあります。
しかし、それ以降は「この作家に大きな影響を受けた」と言えるような人物は、ほとんどいません。
絵ではありませんが、3DCGを始めた頃には、とても尊敬していた人がいました。
建築デザインを手がけていた森田さんという方です。私にとっては先輩のような存在で、その方が制作する建築CGやデザインの完成度には、本当に驚かされました。
「いつか森田さんのようなグラフィックを作れるようになりたい。」
そんな憧れを持ちながら、必死に3DCGを学んでいた時期がありました。もう25年以上前の話になります。
振り返ってみると、創作において誰か一人の作風を追い続けてきたわけではありません。
むしろ、自分なりに現代アートとは何かを考え、独学で学び続けてきました。
現代アートというジャンルを本当に理解できるようになるまでには、何年もかかりました。本を読んだり、作品を見たり、自分なりに考えながら少しずつ理解を深めていったのです。
だからこそ、現在の作品は特定の作家を真似したものではなく、自分自身が積み重ねてきた経験や考え方から生まれたものだと思っています。
影響を受けた人は決して多くありませんが、その数少ない出会いと、長年の試行錯誤が、今の私の作品につながっているのです。