これらは2000年頃に制作した作品です。当時は、自分で作ったホームページに掲載していました。今見るとHTMLを手打ちで作ったシンプルなサイトで、デザインも決して洗練されていたわけではありません。それでも、そのホームページが思わぬ形で仕事につながりました。
当時、私はWebデザイナーの面接を何度か受けました。
不思議なことに、多くの会社で比較的スムーズに採用してもらえたんです。
今考えてみると、HTMLやWebデザインと3DCGは直接関係があるとは言えません。しかし採用する側からすると、「この人は何か作れる人だ」「表現力がありそうだ」と感じてもらえたのかもしれません。
実際、私はWebデザインの専門家というわけではありませんでした。
HTMLは手打ちで書いていましたし、デザインの知識も独学レベルです。それでも、自分で作った3DCG作品をホームページで公開していたことが、自分自身を証明する材料になっていたのでしょう。
作品は何よりも強い自己紹介になる
最近、SNSで「絵描きになりたい」「デザイナーになりたい」という人をよく見かけます。
そんな人たちを見ていて思うのは、やはり作品が一番大切だということです。
もちろん、どこの学校を卒業したか、どんな会社で働いてきたかといった経歴も多少は見られるでしょう。
しかし、クリエイティブな仕事では最終的に問われるのは、
「どんな作品を作ってきたのか」
この一点ではないでしょうか。
ポートフォリオを見る前に、まず作品を見せてほしい。採用する側は、そんな気持ちなのだと思います。
実はポートフォリオを作るつもりはなかった
面白いことに、私は最初からポートフォリオを作ろうと思っていたわけではありません。
ただ、3DCGが面白くて仕方がなかったんです。
毎日のように、
「3DCGで何ができるんだろう」
「どこまで表現できるんだろう」
そんなことばかり考えていました。
作品を作るというより、技術や表現を実験していた感覚に近かったですね。
当時は「完成した作品を増やそう」という意識よりも、「3DCGという道具で新しい表現ができるか」を試すこと自体が目的でした。
アートにはまったく興味がなかった時代
意外に思われるかもしれませんが、この頃の私はアートにほとんど興味がありませんでした。
美術教育を受けたこともありませんし、現代アートについて知識もありませんでした。
「アートとは何か」
そんなことを考え始めたのは、ずっと後のことです。
2000年頃は、純粋に3DCGという技術に夢中でした。
その後、5年ほど経ってから、現代アートや表現そのものについて興味を持ち、本格的に研究するようになります。
今振り返ると、技術だけを追いかけていた時代があったからこそ、その後のアート活動にも自然につながっていったのだと思います。