僕は別に、将棋が特別好きというわけではない。
毎日将棋を指しているわけでもないし、「どうしても将棋ゲームを作りたい」と思っていたわけでもなかった。
それでも将棋ゲームを作った理由は、単純に「難しそうだったから」だ。
去年あたり、「バイブコーディング」という言葉がかなり流行っていた。
コンピュータを使いながらコードを書いたり、勢いでアプリやゲームを作ったりする流れだ。
それを見て、「自分も何か挑戦してみたい」と思った。
でも、簡単なゲームを作っても面白くない。
平面的で単純なゲームなら、ある程度は誰でも作れる。
だったら、もっと難しそうなものをやってみようと思った。
そこで頭に浮かんだのが将棋だった。
将棋は“考え方”が難しい
実際に作り始めてみると、やっぱり将棋は難しい。
将棋そのものも難しいし、「コンピューターにどう考えさせるか」が特に難しかった。
人間なら感覚的に「この手が良さそう」と考えるけれど、コンピューターにはそれがない。
だから、盤面を点数化していく必要がある。
簡単に言えば、
駒を取ればプラス
有利な位置に駒があればプラス
相手に取られそうならマイナス
みたいな感じで、盤面全体をスコアとして計算していく。
そして、「どの手を打てば最終的に一番スコアが高くなるか」を選び続ける。
要するに、コンピューターは“勝ちたい”というより、「より有利な状態」を探し続けている感じなんだと思う。
先を読むほど強くなる
将棋ゲームでは、「何手先まで読むか」がかなり重要になる。
プロ棋士だと、30手先くらいまで考えているとも言われるけれど、コンピューターでそれをやろうとすると、計算量が膨大になる。
理想的には10手くらい先まで読めるとかなり強くなるらしい。
でも、それを実現するには相当な計算能力が必要になる。
僕が作った将棋ゲームは、もちろんそこまで強いわけじゃない。
でも、作りながら、
「将棋って、“どうやって勝つか”というより、“どうすれば少しでも有利になるか”を積み重ねるゲームなんだな」
という感覚は少しわかった気がする。
作ることと、強くなることは別
ただ、将棋ゲームを作ったからといって、自分が将棋で強くなるわけではない。
ルールや考え方のヒントにはなる。
でも、実際に上達するには、何度も対局して、基本を繰り返して覚えていくしかないんだと思う。
ゲームを作ることと、実際に将棋が強いことは、また別の能力なんだろう。
僕自身、将棋はそんなに上手いわけじゃない。
それでも、なんとなく“それっぽいもの”は作れた。
それはそれで面白かった。
一番こだわったのはグラフィック
ただ、正直に言うと、僕は将棋の中身そのものより、グラフィックの方にかなり力を入れていた。
もちろんゲーム性も大事なんだけど、見た目が良いと、それだけで「ちゃんとしてる感じ」が出る。
個人的には、そこがかなり重要だった。
だから実際には、ゲームのロジックよりも、グラフィックを作り直している時間の方が長かった気がする。
細かい部分を何回も修正して、何度も作り直した。
たぶん、普通の人はそこまで気づかない。
でも、自分の中ではかなりこだわっていた部分だった。
なんというか、その辺りはすごく“自分らしい”気がする。