絵を買う人が作品に何を求めているのかを考えると、大きく二つの視点があると思います。
一つは、美術にあまり詳しくない一般の人の視点です。こうした人は、まず作品そのものを見ます。綺麗か、魅力的か、完成度が高いか。幻想的で美しく、誰が見ても「いい絵だ」と感じやすい作品は、やはり受け入れられやすいと思います。
もう一つは、美術に詳しいコレクターや愛好家の視点です。こちらは単純に「綺麗な絵かどうか」だけでは判断しません。
作家がどんな経歴を持っているのか、どのような考えで制作しているのか、これまでどのように評価されてきたのか。そうした作品の背景まで含めて見ています。
そのため、一見すると地味だったり、決して綺麗とは言えない作品でも、作家の思想や制作意図を知ることで価値を感じることがあります。
つまり一般の人は「作品そのもの」から入り、美術に詳しい人ほど「作品+作家」を見ているのではないでしょうか。
最終的には、作品が好きかだけでなく、「この作家が好きだから、この人の作品を持っていたい」というところまで行く。
絵を売ることを考える場合、この二つの客層では、作品の見せ方もかなり違ってくるのだと思います。