最近、アート業界では「新人の画家が育たない」と言われることがある。もちろん、それにはさまざまな理由があると思うが、僕は業界の中にある暗黙のルールや固定観念も、その一因ではないかと思っている。
「こういう作品はダメ」「そんなやり方は認められない」「こうするべきだ」といった、昔から続く価値観がある。もちろん、経験者からのアドバイスがすべて悪いわけではない。しかし、それが強すぎると、新人は自由に作品を作れなくなってしまう。
先日も、ある有名な画家の発言に対して賛否両論が起きていた。具体的な内容はここでは触れないが、こうした「こうあるべき」という発言を、影響力のある人が繰り返すことで、新しい才能の芽を潰してしまうこともあるのではないだろうか。
極端に言えば、大物になった人にとって、新人が成長すれば将来のライバルになる。しかし、その大物自身も、若い頃はきっと自由に好きなことをやってきたはずだ。それなのに立場が変わると、今度は新人にルールを押し付ける側になってしまう。
これはアート業界だけの話ではなく、音楽など他の業界にもあるように思う。
本来、アートはもっと自由でいいはずだ。もちろん何をしてもいいというわけではないが、少なくとも「昔からこうだから」という理由だけで、新しい表現を否定する必要はない。
新人が育たないのではなく、もしかすると育つ前に、周囲の価値観によって自由な芽を摘まれているのかもしれない。
僕は、そんな業界の構造が少し気になっている。